SIGHT 51号

2012/03/10発売

雑誌コード 09798-04
発売日 2012/03/10
定価 817円(税込)

●総力特集
3・11から1年。この国ではなぜ誰も罰せられないのか

村上達也(東海村長)
日隅一雄(弁護士/News for the People in Japan編集長)
保坂展人(世田谷区長)
小出裕章(京都大学原子炉実験所 助教)
牧野洋(ジャーナリスト・翻訳家)
川崎友巳(同志社大学法学部・法学研究科教授)
藤原帰一(国際政治学者/東京大学法学部・同大学院法学政治学研究科教授)

●総力特集 3・11から1年。この国ではなぜ誰も罰せられないのか

福島第一原発事故で、これほどまでに壊滅的な被害を出してしまった第一の責任者である東京電力。長きにわたって原子力発電推進行政を行ってきた政府、官僚、与党、大企業。それらと一丸となって、いわば「原発安全神話」を作り上げてきたアカデミズムやメディア──なぜこの国では、誰も罰せられないのか。その責任を問われないのか。オリンパスの粉飾決算事件も、大王製紙元会長の不正融資事件も、逮捕者が出て企業として罰を受けることになったのに、それらの比ではないダメージを国と国民にもたらした当事者たちは、なぜ有罪になるどころか訴えられすらしないのか。
3・11から1年、毎号原発問題に関する特集を組んできたSIGHTは、その4冊目となる最新号のテーマを、そう設定しました。原子力関連施設を誘致した自治体のトップでありながら脱原発に舵を切った、この国の行政の長としてはきわめて異例な存在、東海村の村上達也村長。原発事故後、既存メディアが政府の大本営発表をそのまま報じる中、東電・政府の責任を追及し続けてきた弁護士・ジャーナリストの日隅一雄氏。ジャーナリスト時代も、衆議院議員時代も、そして世田谷区長である現在も、一貫して「脱原発」を自らの政治的イシューのひとつとして掲げる保坂展人氏。著書多数、活動はすさまじく多岐にわたる、この国の反原発運動の第一人者、京都大学原子炉実験所・助教の小出裕章氏。原発事故報道における日本のメディアの報道の責任を含め、「日本のメディアは本当にメディアなのか?」を掘り下げた著書『官報複合体』を上梓した、元日経新聞記者でジャーナリストの牧野洋氏。そして、毎号国際問題について解説していただいている藤原帰一氏には、「責任追及も政策転換も行われないこの日本という国は異常なのか」という疑問について、国際的視点から語っていただきました。さらに、同志社大学法学部の川崎友巳教授に「東電に刑事責任を問うことはできないのか」というテーマでお話をうかがい、司法の分野からも「事故の責任」について検証しています。まさにSIGHTにしかできない特集、ぜひじっくりお読みいただければ幸いです。

●連載対談
内田樹(哲学者・神戸女学院大学名誉教授/武道家・凱風館館長)×高橋源一郎(文芸評論家/作家/明治学院大学教授)
3・11から1年。今回のウチダ×タカハシのテーマは、「教育論」と「橋下徹」です。
「教育の本質は『非社会的であること』だ」
「我々が橋下徹を生み出した」

●連載インタヴュー 北野武
「脚本を語る・その4」今回は『Dolls』と『座頭市』について、渋谷陽一がじっくり訊きます

●連載書評対談 「読むのが怖い!」 北上次郎×大森望
大好評、この国の「本読み」ツートップによる爆笑対談。おすすめ本もそうでない本もまとめてご紹介!

●作家インタヴュー
角田光代
「無記名で『これは誰が書いたものか?』って読ませたときに、
絶対に誰かわかんないような文章を心がけてるんです」

●SIGHT LINE
Alex Webb and Rebecca Norris Webb
“Violet Isle”
●連載
松苗あけみ/斎藤美奈子/酒井啓子/小田嶋隆/ピーター・バラカン/泉麻人/いがらしみきお

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