石井隆は71年のデビュー以来、『名美』『天使のはらわた』など数々の名作劇画を発表してきました。今でこそ「フリーズ・ミー」「GONIN」「ヌードの夜」「死んでもいい」……ビートたけしをはじめ錚々たる俳優が出演する映画の監督として知られますが、あの大友克洋が、赤瀬川原平が、竹中直人が、荒俣宏が絶賛してやまない劇画作家なのです。その石井隆が、劇画の可能性の限りを汲み尽くして92年、最後に放った幻の名作が本書。現在、石井隆は作画活動を行なっておらず、作品集のほとんども絶版というなか、貴重な１冊になること請け合いです。装幀は、『CUT』のデザインをはじめ、数多くのハイクオリティな装幀を手がけるデザイナー、中島英樹。そこらの漫画の本ではありません。ファンすら見たことのないイラスト８点（書き下ろしを含む）と、石井隆の作家性を鋭く解析する渋谷陽一によるインタヴューも併録。ぜひお買い求めください。