「この箱には私の全部がつまっている」――吉本ばなな本文より
「この本の表紙には『ひな菊の人生』と印刷されるのだろうけど、僕は心の中で『ひな菊と僕の人生』と呼んでいたい」――奈良美智あとがきより

今や地球規模で活躍中、日本の文芸・アート界を牽引する二大アーティスト、吉本ばななと奈良美智がコラボレーション！　そんな夢のような企画が実現しました。小説を読んで喚起されたイメージを奈良美智が描き、また彼の絵の力をイメージしながら吉本ばななが書く……雑誌『CUT』に連載された『ひな菊の人生』は、そんな魂の交信から生れた温かな物語です。二人にとっても「共作」という方法は初めて！　またこの単行本化にあたって『CUT』のADである中島英樹が装丁を担当。画集＋小説という２冊に分冊し豪華ケースに収納、まるで宝箱のように美しい作品となりました。世界が認めた3人の日本人アーティストによる本格的コラボレーションは、世紀も国境をも越える、ファン待望の永久保存本と言えるでしょう。
たて笛。林。ダリアとひな菊の幼い魂の約束……そんな光に溢れた幸福な子供の日々を力強い慈しみで綴った今作は、母、そして親友の死というヘヴィなテーマを通して、ささやかでかけがえのないわたしたちの「生」を祝福します。