Jフェスのメインステージに立つアーティストを育てる

マネジメント担当者に聞く!「RO JACK」再始動と、ロッキング・オンのマネジメントにおける極意とは

アーティストマネジメント
マネジメント担当者に聞く!「RO JACK」再始動と、ロッキング・オンのマネジメントにおける極意とは

Introduction

2025年より再始動した、新人アーティスト発掘プロジェクト「RO JACK」。メジャーレーベルをパートナーに加え進化し続ける「RO JACK」には、どのような思いが込められているのか。その根底にある、ロッキング・オンならではのマネジメントの方法論含め、アーティストマネジメント担当の2人に語り合ってもらいました。

RO ジャパン エージェンシー アーティストマネージャー

秋山

RO ジャパン エージェンシー 部長/チーフマネージャー

古澤


※写真左から順

新生「RO JACK」始動。優勝の「その先」を見据えたサポート体制

――早速ですが、それぞれの自己紹介をお願いいたします!

古澤

株式会社ロッキング・オン・ジャパンのアーティストマネジメント部署「RO ジャパン エージェンシー」で部長を務めております、古澤です。私自身もチーフマネージャーとして所属アーティストに関わっている他、「RO JACK」の運営にも全面的に関わっています。

秋山

同じくアーティストマネジメント部署の秋山です。アーティストの現場マネージャーを務めながら、「RO JACK」の進行や選考メンバーという立場でも関わらせてもらっています。

――今名前が出てきましたが、今回のクロストークでは、2025年より再始動した「RO JACK」について聞いていきたいと思っています。まずはプロジェクトの概要を教えていただけますか?

古澤

「RO JACK」は、ロッキング・オンが主催する新人アーティスト発掘プロジェクトです。「RO JACK」の原型となる「COUNTDOWN JACK」が2008年に始まり、翌年からは「RO69 JACK」、2017年からは現在と同じ「RO JACK」となり、名前を変えながら、コロナ禍まで約12年間開催してきました。
優勝者はロッキング・オンの主催するフェスに出演できるというのが、開催当初から貫かれている大きな特徴ですね。

2020年から約5年間休止をしていましたが、「日々生まれる新しいアーティストにアプローチするスキームが、やはりロッキング・オンにも必要だ!」と考えたことがきっかけで、2025年から再始動しました。

――5年のインターバルを経て再始動するにあたって、進化したポイントを教えていただけますか?

古澤

ただ単に同じスキームで再始動するのは違うな、というのは当初から考えていて。まず、メジャーレーベルの方々にもチームに加わっていただくことになったのが最も大きな部分ですね。

秋山

あとは、優勝特典にデジタルシングルのリリース、MVの制作が含まれている点も大きな進化ですね。時代に合わせて、リスナーがタッチしやすい環境でのリリースができますし。
古澤さんも話していた通り、メジャーレーベルにもパートナーになってもらうことで、録音環境やMV制作においてプロに引けを取らない環境を提供できるようになりました。メジャーデビューした先で、音楽シーンの主役になった時の環境を、先だって経験させてあげられるのは大きな魅力だと思います。

古澤

そうですね。優勝してフェスに出演して終わりではなく、その先の音楽シーンの最前線へ羽ばたいていけるよう、先のキャリアまで含めて一緒にサポートしていく体制を作れたのが、いちばん大きなポイントです。

――再始動後、すでに3回の開催を終えましたが、実感としてはいかがですか?

古澤

再始動後の「RO JACK」には、3回とも多くの方が応募してくださりました。
前提として、応募するにはまず音源を作る必要がありますし、人によっては応募のためのMVまで作って、多大な労力を費やしてエントリーしてくださっています。
その土台にはROCK IN JAPAN FESTIVALやCOUNTDOWN JAPANに出演したいという熱い気持ちがあると思いますし、一歩踏み出してくれるための環境を作れていること自体が、若手アーティストにとって意味のあるものなのではないかとは思っていますね。

秋山

選考は第1弾、第2弾と音源審査があり、そこから入賞アーティストを選んでファイナルライブへと進みます。音源審査では、メジャーレーベルとロッキング・オンで構成する選考委員会を設け、対面でしっかりと話し合って決めています。
大体、発表タイミングの1週間前くらいですかね。

古澤

当然ですが、応募いただいた全アーティストの音源をちゃんと聴いた上で、毎回絞り込む作業を行っています!

秋山

そして、優勝したアーティストはフェスのメインステージに立つわけですが、アーティストがその舞台を経験したことによって人生観が変わる瞬間というか、そういう大切なものを見届けられているっていうやりがい、手応えは毎回あります。

――実際にオーディションを行っていく中で、どのようなアーティストを求めているのでしょうか?

古澤

その時のトレンドや流行っている音楽に囚われるのではなく、将来フェスのメインステージに戻ってくるだろうなという期待が持てるアーティストかどうかを重要視しています。
配信シングルの売上やMVの再生回数だけで言えば、流行りの音楽をやっている人の方がヒットが望めるかもしれません。しかし、そういった近視眼的なことよりも、何年か時間をかけてでも、音楽シーンの最前線に立ってほしいという、強い信念を持って選んでいます。

秋山

新生「RO JACK」では最終審査に「FINALライブイベント」を設けています。高いクオリティの音源が作れる時代だからこそ、ライブパフォーマンスでどれだけ自分の音楽性を表現できるかをすごく見ていますね。
歌い出した瞬間に空気が変わったり、別のアーティスト目当てのお客さんの手を挙げさせたりするような、場を掌握する力やグルーヴ感を持っているかが大切です。
将来、アリーナやホールでライブをする絵が浮かぶようなアーティストを選んでいます。

古澤

過去3回の「FINALライブイベント」を見ても、計24組の入賞アーティストが出演しましたが、毎回全く毛色が異なります。バンド色が強い回もあれば、まだライブ経験が浅い宅録アーティストが揃ったフレッシュな回もありました。
今音楽をやり始めた人たちがどういう音楽に、どういうスタンスで向き合っているのかが可視化されるので、それを半年に1回のスパンでやれていることは、会社としてもすごく意義があると感じています。

アーティストに「360度」トータルで関わり、同じ気持ちで音楽を届ける

――他にも様々なアーティスト発掘オーディションが実施されているかと思います。そうしたプロジェクトと比較して、ロッキング・オンならではの強みはどういったところにあるのでしょう?。

古澤

ロッキング・オンは、フェスなどのイベント事業だけでなく、雑誌、そして我々のようなアーティストマネジメントも持ち合わせています。これらがトータルで深く関われるのが絶対的な強みですね。

「RO JACK」での出会いをきっかけにマネジメントを行い、メジャーデビューへと繋げ、メディア展開も行い、さらに力をつけてフェスのメインステージへ……というように、アーティストのキャリアやストーリーにトータルで伴走できるのはこの会社だけだと思います。

秋山

マネジメント領域においても、アーティストのスケジュール管理だけでなく、プロモーション領域や音源・MVを作る原盤制作領域まで、いわゆる「360度」の展開をすべてマネジメントが担当しています。そのため、アーティスト本人と関わるスタッフとの透明性が非常に高く、アーティストの考えていることをしっかり受け止める体制ができているのは大きな特徴です。

加えて、ロッキング・オンは雑誌から始まった、批評性を非常に重要視する会社です。そういった背景から、批評的な立場としてオーディションに関わる事自体に意義があるのも、他とは違う点ですね。

――たしかに、アーティストマネジメントについても極力内製化しているロッキング・オンだからこそ、「RO JACK」でアーティストを発掘する意味は大きいと感じます。一方で、すべてを自分たちで手がけるからこその大変さや、やりがいについても教えてください。

秋山

そうですね。アーティストに関するすべてに関わるので大変ではあるんですが、アーティストと同じ目線で達成感を感じられる瞬間がたくさんあります。
ライブで参加者の喜ぶ姿を見た時や、自分が手がけたデザインが公開されて、SNSなどで良い反応をもらった時などですね。

一心同体となって、バンドメンバーの一人のような立場で向き合えていることは、本当に幸せなことだと思っています。
今後も同じようにアーティストと同じ目線に立って関わり、アーティスト自身の「参加者に音楽を届けたい」という思いと同等のレベルで発信していきたいです。

自分たちの力でもう一度メインステージに帰ってくる―そんなアーティストを育てることが使命

――最後に、アーティストマネジメント部門として、今後の目標があれば教えてください。

古澤

「RO JACK」から羽ばたいていったアーティストに、自分の実力でフェスのメインステージに立ってもらうこと。それが私たちの絶対的な目標であり、使命です。じゃないとやっている意味がありません。

先ほども話がありましたが、「RO JACK」の優勝者はROCK IN JAPAN FESTIVALやCOUNTDOWN JAPANのステージに立つことができる。でも、その先も力をつけて、自分たちの力でステージに帰ってこれるようなアーティストになってほしい。
そんなアーティストを育てることを大前提にしていますし、その前提のもと「RO JACK」を今後も運営していきたいと思っています。

秋山

今はパソコンやスマホ一つで音楽が作れる時代ですが、その後に「人前でパフォーマンスしたい」という思いを持つためのエネルギーや原動力として「RO JACK」が機能してほしいなと。それによって、これからの音楽アーティスト人口の増加や循環に寄与していくことが、私たちができる大切な仕事の一つだと信じています。

古澤

「RO JACK」というプロジェクトが、これからの世代にとって、たとえば野球における甲子園のように、音楽をやる理由や目標の一つになったら嬉しいですね。

秋山

そうですね。そして、私たちが関わったアーティストが大舞台に立つ日を、心から信じています。