マンガの道―私はなぜマンガ家になったのか
2005/03/29発売
初版発行日 | 2005/03/29 発売 |
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ISBN | 4-86052-047-5 |
著者名 | 安野モヨコ/山本直樹/江口寿史/古屋兎丸/小池田マヤ/山田芳裕/吉田戦車/矢沢あい/しりあがり寿/内田春菊/ハロルド作石 |
定 価 | 1430円(税込) |
気鋭マンガ家11人の自伝集
安野モヨコ/山本直樹/江口寿史/古屋兎丸/小池田マヤ/山田芳裕/吉田戦車/矢沢あい/しりあがり寿/内田春菊/ハロルド作石
『コミックH』に掲載されたロング・インタヴューを一人語り形式で自叙伝として再録。豪華絢爛!今をときめく人気マンガ家11人の知られざる生い立ちや、創作の秘密、「どのようにしてマンガを描き始めたのか」「なぜマンガという道を選んだのか」「デビュー当時の苦労」、あの人気連載の創作秘話から今後まで、語り尽した全マンガファン必読の書!文中に登場する作家名、作品の注釈も充実。マンガ家を目指す人はもちろん、初心者の入門書としても最適です。
安野モヨコ 「明るく楽しい普通の日常を描きたい」
――少女マンガの価値観を一変させた『ハッピー・マニア』誕生までの苦節、そして、圧倒的な質と量の新作を描き続けるマンガの求道者の実像
山本直樹 「エロはめちゃくちゃな妄想でも商品になる」
――欲情と妄想と叙情現実を等価に映し出す山本直樹の「エロ」の世界は、いかにして生まれたのか?
江口寿史 「マンガで子供のやわらかい頭をかきまわしたい」
――マンガをポップな表現へと進化させた先駆者・江口寿史の生い立ち、デビュー、初めて「落とした日」、そして現在まで
古屋兎丸 「自分の身体は、自分が思うような絵を描くための道具なんです」
――崇高でグロテスク、キュートでディープな世界を独自の手法で描き続ける奇才のマンガ論、肉体論
小池田マヤ 「4コマはマンガの原型だと思うんです」
――マンガに救われた青春の日々、そして日常の些細な積み重ねによってリアルなストーリーを生む、新しい4コママンガに挑戦する現在
山田芳裕 「成長物語にカタルシスは感じないですね」
――『度胸星』終焉の真相。そして、「成長物語」を排しつつ、ダイナミックでハイテンションなエンターテインメントを生み続ける源泉
吉田戦車 「『これでいいんですよ』って若い人たちに言ってやりたい」
――不条理ギャグの金字塔を打ち立て、栄枯盛衰激しいギャグマンガの第一線に生き残り続ける才能のルーツ
矢沢あい 「どんなにポップに見せても、基本は王道の少女マンガなんです」
――恋のときめきと切なさ、成長の不安と喜び。徹底したプロ意識で思春期の醍醐味を堪能させる、当代随一の「少女マンガ家」の知られざる道程
しりあがり寿 「赤ん坊が神様を笑かそうとする笑いがあったらいい」
――面白くてグロテスク、ほのぼのでディープ、シュールでリアルな独特のスタイルは如何にして生まれたのか? しりあがり的「笑い」の探求
内田春菊 「物を書くことが必要じゃない人を羨ましいと思う」
――隠れてマンガに没頭した少女時代、マンガ家デビューの経緯。「描くこと」への巨大な才能と執着が辿った、波乱万丈の人生
ハロルド作石 「面白くないマンガを描いたら業界からいなくならなくちゃいけない」
――王道のエンターテインメントでありながら、革新的な作品を生み続け、『BECK』で初の音楽マンガ・ヒットを成し遂げた異才の軌跡
――目次より
掲載作家プロフィール
●安野モヨコ
1971年3月26日生まれ。東京都出身。『ハッピー・マニア』で、いわゆる少女マンガ、女性向けマンガの描写に革命を起こして以降、多作でありつつ、常に新しい作風へとチャレンジし、「己のマンガ道」を邁進しつづけている。
主な著書:『ジェリーインザメリィゴーラウンド』『美人画報』『シュガシュガルーン』『さくらん』『働きマン』など
●山本直樹
1960 年2月生まれ。北海道出身。デビューは1984年、森山塔の名義で、エロ雑誌でマンガ家としてデビュー。繊細な絵柄による、濃厚でエロティックなセックス描写と共に、不条理な虚無、時に「死」までも、ユーモアのセンスを含めて描く独自の作品世界はデビューから現在まで強い支持を集めている。
主な著書:『極めてかもしだ』『僕らはみんな生きている』(原作:一色伸幸)『ありがとう』『Blue』『ビリーバーズ』など
●江口寿史
1956 年3月29日熊本県水俣市生まれ。1977年デビュー。独自の感覚的なギャグと、少女マンガのテイストも取り入れたキュートな絵柄で、それまでの少年マンガというジャンルの粋を越えた、高い人気を博する。イラストレーターとしても、雑誌、広告、CDジャケット、書籍の装丁、アニメのキャラクターデザインなど幅広く手がけ、最近では、井上陽水や銀杏BOYZのジャケットでも有名。
主な著書:『すすめ!!パイレーツ』『ストップ!!ひばりくん!』『エイジ』『寿五郎ショウ』『なんとかなるでショ!』など
●古屋兎丸
東京都出身。多摩美術大学絵画科卒。元高校教師という経歴を持つ。美術を学んだ経歴を生かし、マンガ表現を問い直す緻密かつ大胆な作画方法で、多くの意欲作を発表し、よりポップな漫画表現を追及し続けている。現在、「マンガ・エロティクスF」にて『ライチ・光クラブ』連載中。
主な著書:『Palepoli』『ショートカッツ』『Garden』『Marieの奏でる音楽』『π パイ』など
●小池田マヤ
1969年5月4日山口県生まれ、大阪府育ち。京都市立芸術大学版画科卒。4コママンガの手法に
強くこだわりつつ、笑いとともに、4コマの枠に留まらない深く濃い人間ドラマを描く独自のストーリー4コマを確立させる。その稀有な才能は多くの熱いファンを持つ。
主な著書:『すーぱータムタム』『バツイチ30ans』『聖☆高校生』『…すぎなレボリューション』など
●山田芳裕
1968 年生まれ。新潟出身。ストーリーの盛り上がりとともに、過剰にパースのかかった、異常にダイナミックなコマを見開きで展開する筆圧の高い画風は、一度目にすると決して忘れられない魅力を持つ。様々なジャンルに亙って、コミカルかつシリアスな独自のエンターテインメント作品を描き続けている。
主な著書:『大正野郎』『いよっおみっちゃん』『デカスロン』『度胸星』『ジャイアント』など
●吉田戦車
1963 年岩手県生まれ。絶妙に奇妙なキャラクターを次々登場させ、シュールであり、どこかグロテスクでもあり、不条理でありながら、郷愁やほのぼのとした味わいも感じさせるギャグを、4コマやショートストーリーで発表し続けている。様々な手法を使って、新機軸のギャグを生み続けるセンスに心酔するファンは多い。
主な著書:『甘えんじゃねぇよ!』『戦え!軍人くん』『伝染るんです』『いじめてくん』『殴るぞ』など
●矢沢あい
1967 年3月7日生まれ。兵庫県出身。恋愛を軸に女の子の揺れる心を描く、というオーソドックスな少女マンガのストーリーテリングの手法をとりながら、生き生きとした脇役が印象的な学園群像ストーリーや、ファッション、音楽などを題材にしたハイセンスかつドラマチックな作風で大きな人気を獲得している。現在連載中の『NANA―ナナ―』はコミック累計2200万部突破。今や「新しい少女漫画の女王」と言われる存在である。
主な著書:『マリンブルーの風に抱かれて』『天使なんかじゃない』『ご近所物語』『下弦の月』『Paradise Kiss』『NANA―ナナ―』
●しりあがり寿
1958年、静岡生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン専攻卒。ギャグとグロテスクと哀愁とほのぼのを、さまざまなセンスとタッチのマンガで表現し、ポップとディープ、シュールとリアルの境界を越えて、数々の作品を発表し続けている。
主な著書:『エレキな春』『ヒゲのOL薮内笹子』『真夜中の弥次さん喜多さん』『瀕死のエッセイスト』『地球防衛家のヒトビト』など
●内田春菊
1959 年8月7日、長崎生まれ。1984年マンガ家デビュー。自伝的要素を含んだ『ファザーファッカー』で1993年小説家としても衝撃的なデビューを果たし、ベストセラー作家となる。エッセイも数多く発表しており、マンガ家業、文筆業、そして女優業などの多方面で活躍を続け、圧倒的な才能を第一線で発揮し続けている。
主な著書:マンガ『南くんの恋人』『目を閉じて抱いて』『私たちは繁殖している』/小説『ファザーファッカー』『あたしが海に還るまで』ほか
●ハロルド作石
1969年3月16日、愛知県生まれ。1987年にちばてつや賞優秀新人賞を受賞し、デビュー。独自のセンスを随所に織り込みながら、目が放せない骨太なストーリー展開で読者を引き込む作風は、マンガ表現のエンターテインメント性を斬新に広げ続けている。
主な著書:『バカイチ』『ゴリラーマン』『ストッパー毒島』『BECK』ほか